E-FR-130GTとG-FR-62GT
この2本をメインにフォレスト系の
ギターについて触れていこう。
ではフォレストについて解説していこう。
まずこの2本の違いは大まかに、
・ネック材
・指板材
・材料のグレード
・ジョイント方法
・電気系統
・ブリッジのグレード
・工業製品としての品質
と、なっているので上から順番に説明していく。
・ネック材
エドワーズ品は、ハードメイプル&ウォルナット7pc。
グラスルーツ品は、ハードメイプル3pc。
ネック材の違いによる音の変化はほぼ感じられないだろう。
ではなぜエドワーズはこのチョイスをしたのか。
それはネックの安定性と強度と外観の
向上のためだけだと筆者は考える。
1pcより3pc、3pcより7pcのが強度は上がる。
ネック内の木材の繊維がより多方向に向かうので、
ネックの剛性感が上がるというすんぽうだ。
また、湿度変化や温度変化による
木材の反りの方向も増えるので、
ネックが安定するようになる。
・指板材
エドワーズ品は、エボニー。
グラスルーツ品は、ローズウッド。
見た目では黒いか赤っぽい茶色か。
それだけの違いだが、実は音はかなり変わる。
エボニーのが硬く重いので、音はシャープになる。
ただそれと同時に、音の優しさのような物は減ってしまう。
・材料のグレード
2倍近くの値段の開きがあるので、
もちろん使用している材料のグレードも
大きく変わってくる。
だが60万のギターと45万のギターの
木材のグレードの違いによる音の違いとは違い、
初めて音を聴いただけでも確実に違いが解る。
7万か14万の差にはそれだけ大きな隔たりがある。
フィットより2倍良い車は、2倍のお金で簡単に買えるが、
フェラーリより2倍良い車はどうなのかという部分と同じだ。
なんでもそうだが、トップクラスに近くなれば近くなるほど、
すこし良くするために膨大なお金がかかるようになる。
なので、長期的にギターをやる場合は、
是非ともエドワーズの方を選んで欲しい。
安いものを買ってもすぐに満足しなくなるし、
そしたらまた安くて良い物を探しがちになる。
それは高いものがどれほど良いのかを
経験として知ってるわけではなく、
ただ単に知識として知っているにすぎないからだ。
そうすると、長いスパンで考えた場合に、
安物買いのほうがお金を使ってしまう結果になる。
そして良い物も手に入らないままに終わる。
・ジョイント方法
コスト削減もあり、グラスルーツはボルトオン。
対してエドワーズはスルーネック。
ボルトオンのメリットは、ネックが換えられる事、
音のアタックが強くなることだけだ。
そして、ネックが折れてもグラスルーツのギターであれば、
買い換えてしまったほうが安く済む。
そのうえ、ネックを作り直すようなレベルのギターではない。
なのでジョイントからのグラスルーツのメリットは、
音のアタック、シャープさ、バイト感だけである。
そしてこれらは常にデメリットとの背中合わせとなる。
音が硬い、薄い、ジャキジャキしすぎるなど。
・電気系統
ピックアップをメインに、ポッドから配線材まで
全てが違い、比べるに相応しくない。
あくまでグラスルーツの場合は、
「いかに安価に提供するか」がテーマのような気がする。
ポッドや配線材の違いは、聞く側からしたら基本解らない。
が、弾いてる自分自身にはとても良くわかる。
それらを換えるだけでどれほどの違いがあるのか、
是非とも、自分の欲しい音を手に入れるために
試行錯誤している方々全員に、
経験を持って理解して欲しい部分である。
・ブリッジのグレード
これはライセンス物のフロイドか、
オリジナルのフロイドかという事。
ライセンス物は安いだけあって、
やはりそれほど精度は良くない。
そして疲れるのが早い。
精度が高ければ、ブリッジの疲労は
そんなに気にならない。
が、廉価品の場合、チューニングが
狂いやすくなったりする。
・工業製品としての品質
やはり格段に製品としての完成度に差がある。
塗装やフレットエッジの処理など。
やはり安物かそうでない物かというところ。
結論から言わせてもらうと、
エドワーズとグラスルーツでは
きっちりと差別化が計られており、
比べるまでも無くエドワーズのが良い。
・ギターを続けるか解らない
・とりあえずアッシュボディのギターを弾いてみたい
上記に当てはまらない人には是非、
エドワーズを選んで欲しい。
エドワーズは確かに安くない。
だが経験というとても大きな財産が手に入る。
頑張って買えるのであれば、
欲しい物(金銭面を考慮しないで)を
是非手に入れてもらいたい。
そこには手にした人しか知らない、
欲しいと言っているだけの人は知れない、
素晴らしい世界が広がっていることと思う。
ギターに限った話ではないが、
欲しい物があるならば、
それに全力でチャレンジして欲しい。
そしてそれを手に入れられなくても、
経験という一生物の財産が残る。
ただただ同じような毎日を過ごすよりも、
よっぽど充実した毎日になるだろう。
不満な音で毎日ギターを弾くよりも、
惚れられる音で毎日ギターを弾いたほうが
いろいろと人生に良い影響が出てくるだろう。
不満が減る事により、ストレス発散の時間が減る。
余った時間でまた何かできる。
無理の無い範囲で手にする事のできる
良い物には、良い事ずくめだ。